リサーチプラスは昨年に引き続き、20歳以上のインターネットユーザー500人を対象に、「IP電話」についのて調査を実施。その結果によると、現在自宅でIP電話を利用しているユーザーは6ポイント増の32.8%に至ることがわかった。
ちなみにその内訳としては、「BBフォン(ヤフー)」が53.1%と圧倒的多数を占めトップ。次いで「OCN.phon」6.7%、「ぷららforフレッツ」4.9%、「NTTコミュニケーションズ」4.3%などとなっている。
「利用している」ユーザーに、IP電話に変更して電話代は幾らぐらい安くなったと感じたかを尋ねたところ、最も多かったのは「月額500円未満」27.4%で、次いで多かったのは「月額500円〜1,000円未満」25.6%。つまり「1,000円未満」と感じている人が半数以上という結果に。また、「安くなったと思わない」とする声も17.7%を占めており、「月額5,000円以上」2.4%を含め「月額1,000円以上」安くなったと感じているのは3割に満たないようだ。
そこで、IP電話に変えてから不満に思う点を尋ねたところでは、「IP電話同士の無料通話などを体感したことがない」という意見が26.1%でトップ。その他、「音質が悪い」19.1%、「よく途切れる」15.8%、「故障など、不具合がよくおこる」6.1%、「値段が安くならない」5.1%のほか、「つながるまでに時間がかかる」といった声も。しかしここでは24.2%が「満足している」と答えている。
一方、自宅でIP電話を「利用していない」67.2%のユーザーの「IP電話にしない理由」では、「使っている人が回りにいない」35.2%、「内容がよくわからない」26.7%の2項目が最も多い。次いで「手続きがよくわからない」11.7%、「音質が悪そう」10.0%、「使っている人の評判が悪い」2.4%、「盗聴されそうで恐い」2.0%となっていたほか、「その他」12.3%では「電話回線が対応していなかった」「電話(通話)をあまり使わない」という意見が目立った。しかし中には、「番号が050になってしまうから」「緊急電話ができなくなるから」などの理由を挙げるユーザーも。
「近い将来、IP電話にしてみたいと思うか」について、「思う」としたのは46.4%。その理由としては、ほとんどの人が「通話料金が安くなりそうだから」「まわりの人がIP電話を使い始めて無料通話が楽しめるようになったら」と回答。対して「思わない」53.6%の意見では、「手続きが面倒そう」「内容(メリット)がよくわからない」「特に必要を感じない」「自宅固定電話はほとんど使わないので」といった事柄が顕著だった。なおこの比率は昨年とほぼ同数。
これらのことから、IP電話は少しづつ確実に普及しているが、その最も大きなメリットである「通話料金の割安感」を強く感じているユーザーは少ないと少々矛盾した結果になっていることがわかった。また、IP電話において付与される「050」番号だが、これはあくまでIP電話宛にかける時に必要な番号であって、従来より利用している通常の固定電話番号は引き続き使用できる。また、110番等の緊急連絡番号についてもIP網を介しての利用ができないという意味で「緊急電話は非対応」とされているだけで、万が一の時には通常の固定電話網から特に問題なく通話可能であることなどが未だに多くのユーザーに理解されていないこと、そして今後もIP電話にする予定はないと考えているユーザーの多くが「手続き」に関する煩雑さから利用を敬遠する傾向にあることから、企業側のPR方法などで更なる利用者数の増加も見込めると考えられる。