リサーチプラスはネットユーザー300人に対して昨年に引き続き「電子出版(小説)」についての調査を実施した。
これによると、メールまたはWebサイト上で「小説(10ページ以上)を読んだ事がある」としたのは、昨年よりわずかに増加しているものの28.7%にとどまり、うち12.7%が「読んだ事はあるが、途中で読むのを止めてしまった」としているのがわかった。
また、「読んだ事がある」としたユーザーで最も多かった小説の提供形態は、「PCでWebサイトに接続して読んだ」が他を大きく離して62.6%でトップ。以下、「携帯電話でWebサイトに接続して読んだ」11.0%、「PCでメールとして配信されてきた」9.1%、「PCで専用のビュワーをダウンロードして読んだ」8.1%となっており、PC/携帯関わらず「Webサイトに接続して読む」というユーザーがほとんどだった。また、携帯電話とは異なるラインで「モバイルPC」と位置づけされている「PDA」については、「PDAでWebサイトに接続して読んだ」2.0%、「PDAでメールとして配信されてきた」1.0%と併せて3%にとどまっている。
「書籍」以外で小説を読んでみて、「便利と感じた」ユーザーは昨年より10ポイント減の38.4%。その理由としては「無料で読めたから」が最も多く、「時間を気にせず、気軽に読める」「手に本を持たなくてよかったから」「お得だと思った」などが挙っていた。対して、昨年より10ポイント増の「不便だった」61.6%のユーザーは、そのほとんど全員が「目が疲れる」と回答。その他では「机の前でしか読めない(PCユーザー)」「パケット代がかかる(携帯ユーザー)」となっている。
一方、「読んだ事がない」とした71.3%のユーザーの理由としては、「書籍で読むので、あまり必要がない」47.7%、「小説に興味がない」21.5%と、「電子書籍に対する興味」自体がないという答えが多かったが、「そんなサービスを知らなかった。興味はある」とのユーザーも27.1%存在。但し昨年と比べると、「知らないが興味がある」ユーザーは約20ポイント減少している。
最後に全てのユーザーに、「有料の電子出版サービス」の利用経験と「電子出版に料金を支払うメリット」を尋ねたところ、「冊数が多い場合は持ち運びや保管場所の面でメリットがある」とする人もいるものの、「お金を払うなら形にあるもの(書籍)を買う」「書籍は図書館であれば無料で借りることもできる」といった理由から、「利用したことも、その予定もない」というユーザーが67.4%を占めて最も多かった。また、「利用したことはないが、利用してみたい」24.4%からは、「保管に大きな場所をさくことがなくなる」「書店にわざわざ行かなくてもよいのがメリットと思う」「本を傷めることなく読める」「実際の書籍より値段が安いといいと思う」など、「利用したことがある」8.1%のユーザーと同様の声があがっている。
これらの結果は、昨年とほぼ同様の部分が多かったが、わずかながらも「電子書籍」の利用者は増加しており、またその使用感についても多くが満足しているようだ。また、有料サービスについては利用意向を示さないユーザーがやはり多いが、「利用したことはないが、利用してみたい」という人がわずかながら増加するなど潜在的なユーザーは確実に存在していることがわかった。