リサーチプラスは昨年に引き続き「オンライントレーディング」について20歳以上300人のネットユーザーに調査を実施。その結果「オンライントレー ディングを現在利用している」というユーザーは16.0%と、昨年の倍以上に増加していることがわかった。
最も多かったのは、「興味はあるが運用したいと思う資金がない」というユーザーで22.7%。次いで「興味はあるが利用するための手続きがよくわからな い」14.0%、「興味はあるがセキュリティー面などが不安」8.3%、「興味はあるが利用するための手続きが面倒」3.3%。一方、「興味が無い」としたの は33.7%で、「窓口で利用しており、特にオンラインの必要性を感じない」1.0%と、圧倒的多数のインターネットユーザーが「オンライント レーディング」に興味を持っている事がわかる。なお、昨年「興味がない」としたユーザーは計35.4%で、この1年の間に興味を持ったユーザーはやや増えたようだ。
また、現在利用している以外の人に、将来的にオンライントレーディングを利用すると思うかを尋ねたところ、「自分のPCを所有したら」「資金ができた ら」など、「準備が整い次第」利用すると考えているのは36.5%。中には、「以前から検討していたので、実際のやり方がわかり次第始める予定」、「小額 から始められるものもあるらしいので前向きに検討している」といった声もあり、単にオンラインであることの利便性のみならず、トレーディング自体につ いての認知度向上にも「オンライントレーディング」が一役買っている様子がわかる。対して、「利用しない」とした63.5%の理由では、「利用すると思 う」ユーザーと同様「資金」を問題視している人が多いが、ほとんどが「よくわからないから」と答えていた。
一方、「現在利用している」ユーザーに、利用中の証券会社を尋ねてみた。この質問、昨年では「DLJディレクトSFG証券」が14.3%でトップだったほかは 「野村証券」「イー・トレード証券」「松井証券」「カブドットコム証券」などが9.5%で並び、いわゆるどんぐりの背比べのような状態だったが、今年の 結果では最も多かったが「イー・トレード証券」22.9%。次いで「大和証券」16.7%、「マネックス証券」「野村證券」各10.4%、 「日興ビーンズ」8.3%と、明確な差が出始めている。
また、各証券会社を選んだ理由としては、イー・トレード証券を選んだのは「手数料が安いから」という答えがだんとつ。大和証券では「ミニ株が多い」 「営業所が近所にあるため」、マネックス証券「手数料が安い」「HPが見やすい」、野村証券「以前から取引があるから」「大手で信頼できる」などの意見 が挙っており、各社の特長がユーザー側に伝わって来た様子がうかがえる。
なお、オンライントレーディングを利用する頻度は、「月に1回未満」43.8%。しかし、「月に1回以上3回未満」18.8%、「月に3回以上5回未満」 16.7%、「月に5回以上7回未満」4.2%と、月1回以上利用するユーザーが過半数を占め、中には「月に10回以上」というヘビーユーザーも 16.7%存在した。
最後に、今後オンライントレーディングがさらに普及するためにはどんなことが重要と思うか?を自由回答で尋ねたところ、昨年は「よくわからない」と いう答えや「セキュリティ面に関するアピール」を挙げるユーザーが多かったが、今年は「以前と違って、個人参加が容易になったこと、小額からの参加が 可能になったことなどをもっと告知するべき」「難しいと思っている人が多いので、手続きや使い方がいかに簡単か、そしてそのメリットをもっとアピール すればいいと思う」「三十代の人はよく知ってる場合が多いが、もっと高齢者になると未だにインターネットに尻込みしている人も多い。そのような層を取 り込むための動きが必要」など、具体的な意見が多数挙げられている。
なお今回の調査は、20代以上のインターネットユーザー300名を対象に行ったもの。昨年同様属性としては「20代」が49.7%、「30代」が34.3%を 占めており、回答者のほとんどが若い世代であると言える。これらのことから見て、若い人の間では「オンライントレーディング」が少しづつではあるが確実に 認知され始めており、またその普及のスピードには目覚ましいものがあることがわかった。しかし、金融商品について重要な顧客である「富裕層」と考えら れる、40代〜50代の人についてはインターネット自体に対して懐疑的である場合も多く、オンライントレーディングの更なる普及には証券会社側の努力が不 可欠なようだ。