リサーチプラスはADSLおよび光ファイバ回線、CATV回線を利用する「ブロードバンドユーザー」男女計300名を対象に、「ブロードバンドサービス」についてのアンケート調査を行い、その結果を発表した。これは、2003年の同時期より定点調査として行われているもので、今年で第3回目となる。
「現在利用している回線」としては、昨年までは「ADSL1.5M/8M/12M」を利用している人が合わせて8割程度であったところが、今年は、ADSL「1.5M」10.3%、「8M」16.7%、「12M」18.7%の計45.7%で半数におよばないことがわかった。これに替わって、今年から新たに出始めた超高速ADSL接続サービスであるADSL「24M」は9.0%、「40M」に至っては16.0%を占めたほか、「光ファイバー回線」18.3%、「CATV回線」11.0%。「光ファイバー回線」は2003年が4.3%であったのに対し2004年は9.7%と、毎年ほぼ倍程度の伸びを示している。
そこで、今の回線速度に満足しているかをその理由と共に訪ねたところ、「はい」と応えたのが60.3%(昨年比+6.3)。その理由としては、「特に不満を感じないから」「Webを閲覧するには十分な速度」「これまでのダイヤルアップやISDN、ADSLの1.5M等と比べると格段に早くて軽いと感じる」「Flashを多用したサイトが多いが、何の支障もなく閲覧できる」などの声が挙がっている。一方「いいえ」とした39.7%の理由は、「たまに遅くなることがある」「占有回線ではないので思ったほど早くなかった」「映像のダウンロード等にはやはり時間がかかる」「PC自体が古くてついていけていない」など。
また、利用している回線と満足度を比べてみると、「光ファイバー回線」で「満足している」人は実に80%におよぶほか「CATV回線」は69.7%といずれも平均以上であったのに対し、ADSLは「40M」でも50.0%にとどまっており、「24M」の59.3%という数字が平均に近い。更に、意外にも「ADSL1.5M」のユーザーでは67.7%が「満足している」と答えており、回線速度の早さが満足度につながるとは一概には言えないようだ。
有料のブロードバンドコンテンツサービスの利用経験としては、「ある」57人(19.0%)、「ない」243人(81.0%)。「ある」とした人に利用したことのあるコンテンツを尋ねたところ、「ソフトダウンロード」35人(+2)、「音楽配信」23人(+5)、「映画」21人(+3)、「アニメ」16人(+9)、「ライブ中継」8人(+3)、「スポーツ中継」7人(+2)、「写真集」5人(+3)、「教養/セミナー」3人(±0)。経験者の数自体は昨年より若干減少しているものの、各コンテンツの利用数は増加傾向にある。
最後に、ブロードバンド利用の有無に関わらず、その品質/サービスについて自由意見を尋ねたところ、昨年、一昨年に多かった「もっと早い回線への移行を考えている」「料金が割高」という声は大幅に減少しているのに対して、「概ね満足している」という声が増えたが、「光ファイバ回線の導入は、集合住宅ではやはりまだ壁が高い」「サービスが多様化しすぎていて、ついていくことができない」との声も。またニーズとしては、「TV番組など、見逃してしまったものをその日の夜などにすぐ見ることができるようなサービス」や「音楽、ニュース、プロ野球などのコンテンツのライブ配信」などを挙げていた人が多い。
最初に調査を開始した2003年当時、「ADSL」は「ブロードバンド」の代名詞とも言えるほど注目を集めていたが、その登場からわずか数年でインターネット接続の高速化は急速に進み、2005年春の現在、更に高速な接続速度を求めるユーザーは光ファイバ接続へと移行し始めている。しかし、十分な速度を確保できているはずの「ADSL40M」ユーザーの満足度はさほどでもなく、「ADSL1.5M」ユーザーの満足度は平均以上であるなど興味深い調査結果となった。