チアーズ合資会社とアイブリッジ株式会社は、昨年・一昨年に引き続きネットユーザー300人に対して「PCのメールアドレスへの迷惑メールについて」についてのアンケート調査を行い、その結果を発表した。
携帯メール以外に最も利用している個人のメールアドレスにおいて、「明らかに迷惑メール」と思えるものはどのくらい届くかを尋ねたところ、「週に2〜3本」という声が20.3%で最も多く、次いで「月に1本以下」17.7%、「届いたことがない」17.0%。しかし、「毎日1本程度」という人を含め「毎日1本以上届く」としたユーザーは計45.0%におよんでおり、昨年の29.6%を大きく上回る結果になっていた。
迷惑と感じるメールの種類としては、「アダルトな勧誘広告」46.6%(昨年比+3.9)、「登録した覚えの無いメールマガジンやメーリングリスト」 28.5%(+11.1)、「文字化けした海外からのメール」15.7%(-0.8)、「ネットワークビジネス関連の勧誘」8.0%(-7.1)、「知人からの不用(不快)なメール」0.4%(-0.5)という結果。特に上位2項目については一昨年、昨年、今回と増加傾向にあるようだ。また「文字化けした海外からのメール」は何らかのウイルスメールとも考えられるが減少傾向にあることに加え、昨年「その他」としてほとんどの人が挙げていた「ウイルス付きメール」という答えは今年は見られず、各個人でのセキュリティ対策の浸透がうかがえる。
「迷惑メール」が届いた際に、解除要求や苦情等のアクションを起こしたことが「ある」とした人は34.5%で、昨年より約10ポイント増加していた。そこで、どのような行動を取っているかを自由意見で尋ねたところ、「配信解除の手続き」「セキュリティフィルターによる受信拒否(迷惑リスト登録)」「ISP等への連絡」「記載されているメールアドレスに対して『登録していません』『スパム禁止』などのメッセージを送信する」との声が多数。しかし、「『配信拒否の方はこちらへ』というアドレスに送信したら届かなかった」「配信停止専用URLにアクセスしたが、リンク切れになっていた」などの意見もあり、悪質な迷惑メールは未だに存在しているようだ。
一方、「特にアクションを起こしたことはない」と答えた65.5%の人には、迷惑メールに対する対処法を尋ねた。これによると、「セキュリティソフトを導入しているので、いちいち対処はしていない」と「特に何もしていない」という意見が大半を占めていたが、「メールソフトに自動振り分け機能がついているので自分では何もしていない」「訪れたHPでメールアドレスを入力しないようにしている」「開かずそのままゴミ箱に入れるよう気をつけている」などの意見も見られた。
これらのことから「迷惑」と考えられるメールにおいては、多くのインターネットユーザーがセキュリティに対する危機感を持ち、各自でソフトを導入したりISPのサービスを利用するなどの対策を既に行っていると推測できる。その効果があってか、いわゆるウイルス付メールの受信数およびその被害は減少しつつあるが、一方でアダルトメール、身に憶えのない会員登録メールなどは変わらず増加。更に1日に1本以上迷惑メールを受け取っているという人の数も増えており、今春に施行された個人情報保護法がこれらの問題に功を奏するか否かを、引き続き見守って行きたいところだ。