リサーチプラスは昨年に引き続き、全国18歳以上の会社員で、会社または自宅と会社の両方でインターネット接続をしている男女計1,000名に対して、「会社におけるPCでのメーリングリスト(以下ML)利用」についてのアンケート調査を行い、その結果を発表した。
これによると、「会社でMLを利用している」人は31.7%(昨年比-2.5ポイント)。それらのユーザーに、仕事上で幾つのMLに登録しているかを 尋ねたところ、「1〜2」45.1%(+5.3)、「3〜4」33.4%(+3.9)、「5〜6」10.4%(-2.8)と、半数近くが「1〜2」つのMLに登録していることがわかった。また、これら「6つ以下」の人で約9割を占めるが、次いで多かったのは「11以上」6.9%(-5.7)。次いで「9〜10」2.2%(+0.7)、「7〜8」1.9%(-1.6)という結果に。
その利用方法としては、「会社全体の情報共有として」が最も多く37.2%(+3.6)。次いで「社内で発生したプロジェクト毎に」28.3%(-2.1)、「情報収集手段として社外のMLに参加している」19.1%(-1.5)、「社外との共同プロジェクトなどで」14.7%(-0.1)だった。なお「その他」0.8%では、「各支店責任者への連絡手段として」「部署毎の連絡、通知に」「同業者間の情報交換に」との意見が挙がっている。
また、仕事上で全てのMLに目を通せているかという問いに対しては、「はい」としたユーザーが48.0%(-2.1)を占め、「いいえ(殆ど見ていないものがある)」は3.8%(-5.6)にとどまった。また、「たまに見落としている」39.4%(+3.7)、「よく見落としている」8.8%(-0.6)を加えると、「見落としはあるが目は通している」人は9割以上におよぶ。
最後に、「仕事上、MLは便利と感じるか」を理由付きで尋ねた。まず「便利」と答えたのは53.9%(-5.5)で、その理由としては、「いちいちメールアドレスを探したり入力する手間なく利用できる」「情報共有をリスト単位で管理できる」「1回のメール送信でもれなく情報を提供できる」など、『手間をかけない、かつ迅速な情報共有』といった点にメリットを感じている人が多いようだ。これに対して、「不便」としたのは5.1%(+0.5)。その理由では「要らないメールが増える」「関係のない人に情報を漏らしてしまう可能性もある」といった声が見られるものの、ほとんどが「スパムやDMなどのメールと区別がつきにくい」「ウイルスチェックにひっかかる場合も多い」という意見も。
また、「使いかた次第でどちらともいえない」とした41.0%(+5.0)の人からも、「不必要な情報も多い」「いたずらメールとの区別ができない」など、「不便」とした人と同様の意見が挙がっているが、「投稿者により書き方が異なるので読みづらい」「チェックしなければいけないが、数が多いと面倒になる」「ただ情報共有をするだけにとどまらず、DB化しなければ意味がない」といった声もみられる。
これらのことから、前回の「プライベートにおけるMLの利用調査」においてMLの利用は減少していたが、会社におけるML利用も減少していることがわかった。しかし、プライベートシーンの情報共有としてはSNSやblogといったツールが代替してきたと推測できるが、企業内/企業間の情報共有についてはセキュリティ面や情報漏えい等から全てのネットユーザーが閲覧できる形での情報配信は難しく、引き続きMLを利用している人も少なくないと考えられる。
とはいえ、MLはプライベート/オフィシャルの双方で利用率が減少傾向にあるのは確かで、今回挙がった「不便な点」が今後どのように解消されていくのか、注目される。